アンリが魅了された世界の街角。 見知らぬ時空間をご一緒に旅しましょ。
スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告
短いのがお好き
2007-07-12 Thu 23:24
alex_200707


気がついたら、大きな鏡の前に座っていた。
肩越しにいつものスマイル。髪を触りながら。

あっ、クマちゃんだ。
そっか、私、また来ちゃったんだ。

でも、いいや。
みんながやさしく微笑んでくれる。
それだけで癒される。

「えぇと、何センチにしましょうか?」

あれっ、その言葉、昨日も聞いたみたい。

「どうしようっか?」
「どうします?」
「じゃ、5センチ」
「えっ、い、いいんですか?」
「どうして?」
「どうしてって、アンリさん、先週もカットされたんですよ」
「あれっ、そうだっけ」
「先週は1センチでしたけれどね」

そういえば、ここ数週間、毎週のように来ていたのよね、私。

髪を切れば、苦しさが少しずつ減っていくように思えたから。
そうね、私は今の長さが好き。


17歳と6ヵ月。アレックスは元気です。
スポンサーサイト
別窓 | 未分類 | コメント:6 | トラックバック:0
私の人生
2007-07-10 Tue 14:32
jinsei


私が主役?

そうだったんだ。
忘れていた。

じゃ、そろそろ、歩き出しますか。

別窓 | 未分類 | コメント:10 | トラックバック:0
安曇野をあとに
2007-07-06 Fri 23:46
結局、碌山美術館もわさび農園も行くことはなかった。

それでも、安曇野を深く感じることができたのは
ホタルさんの大きなやさしさに包まれたから。

穂高インターでホタルさんご夫妻の乗ったクルマとわかれるとき
クラクションを2回、鳴らした。

「ありがとうございました」
「お元気で」

ETCのゲートを通り抜け、帰路に着いた。
日付が変わる前にはアレックスに会えるだろうか。
そう願いながら、アクセルを吹かした。

まただ。
岡谷トンネルを過ぎると、突然の雨。
夜の視界が一層、悪くなった。

これじゃ、飛ばせないや。
時速100キロ前後で、走行車線を走る。
約束したの、心配するホタルさんと。
「140キロは出しません。100キロで走ります」と。

気がつくと、すぐ後ろにピタッとクルマが。
追越車線は空いている。
煽られている。

少しだけスピードをあげてみるが、ずっとくっついたまま。
危険だと思い、車線を変えて、スピードを落としてみた。
と、今度は私の前に出てきた。
速度を落として、ぴったりと。
「山梨」ナンバーだった。

速度は80キロを切ろうとしてきた。
こんなんじゃたまらない。

再び車線を変えてみるが、相手は同じことを繰り返すだけ。

いつもの私なら、スピードを上げて振り切ったかもしれない。
だけど、この夜は、なぜか怖くてたまらなかった。
必死で自分を守ろうとしていた。
生き急いでいたことは確かだったけれど、
まだ遣り残したことがあることに気づいたから。
ひたすらに耐えた。耐えて、耐えて、耐え抜いた。

2台のクルマのチェイスは大月あたりまで続いた。

長いトンネル。あれは笹子トンネルだっただろうか。
煽られてもスピードを上げない私に愛想をつかした山梨ナンバーが
ようやく加速して視界から消えていった。
助かった。

エアコンの効いた車内なのに、
うっすら汗をかいていることに始めて気づいた。
なんて長いトンネルなの。
そう思いながらも、その存在に感謝した。

トンネルを抜ける。
暗い闇の中に点々と街路灯が続く。
路肩に目をやると、覆面パトカーが獲物に詰問していた。
あっ、山梨ナンバーだ。あいつだ。
「ブラボー!」
そう叫ぶ私がいた。

東京に近づくにつれ、雨が激しくなってきた。
「雨のため速度制限50キロ」の表示板。
えっ、50キロ?
そんなスピードで高速を走行する術を知らない。

オービスがあった。
こういう場合、100キロだと捕まっちゃうんだろうか。
かといって、70キロ程度だと周囲のクルマに迷惑がかかっちゃう。
どうしたらいいんだろう。

悩み続けた。
こんなことで悩むなんて、なんてちっぽけなんだろうと思いながら。

山梨ナンバーの次は速度制限か。
散々な夜のドライブだったわね。

それでも、マンションの駐車場にクルマを止めたとき、
適度な疲労感の中で微笑む私がいた。

あっ、モモの香りがする。
「明日の朝食に」と、ホタルさんがくださったんだった。

やわらかなモモを手にしながら、時計を見る。
ちょうど零時だった。

「アレックス、ただいま。いま、鰹節をあげるからね。
今度は一緒に安曇野に行こう」

そうつぶやきながら、部屋のドアを開けた。
長い一日の終わり。
別窓 | 未分類 | コメント:14 | トラックバック:0
安曇野にて
2007-07-05 Thu 16:26
shinshugyu


ホタルさん宅は穂高の別荘地にあった。
木立ちの中、ひっそりと佇む白い一軒家。
聞こえるのは風が呼ぶ声だけ。
すぐそばにはきららかな小川の流れ。
夜になるとホタルが舞うんだろうな。
晴れ渡る日には有明山が一望できる。
これが安曇野富士。
秋になると北海道並みの寒さを向かえるこの地。
ご夫妻は、伊豆の別荘で冬を越す。

なんて優雅なんだろう。
そう思わずにはいられなかった。

一人ぼっち。
寒さも暑さも
喜びも悲しみの
分かち合う人はいない。

そんな私には眩しいお二人。
いつも寄り添って
微笑みながらともに過ごす。
たまらなく羨ましかった。

お昼にお蕎麦をご馳走になった。
信州はやっぱりお蕎麦よね。
夜にはしゃぶしゃぶも。
信州牛って初めて聞いちゃった。

緑の中を散策しようと思ったけれど、
私ったら、おバカさん。
ピンヒールのサンダルで出掛けたことに、初めて気づいた。

マイナスイオンは諦めたけれど
そのぶん夢中でお話したの。
時を慈しむように。

夜。温泉三昧。
驚くことに、お宅には源泉から温泉が引かれてあった。
泳げそうなほど広いバスタブに。

ホントはずっと温まっていたかったけれど
湯疲れしてはいけない。

「日帰りなんて無理よ。泊まっていきなさい」

その気になりかけちゃったけれど、アレックスが待っている。
午後9時半、安曇野をあとにした。

「今度はスニーカーとアレックスをご持参くださいね」
別れ際、ホタルさんが微笑んだ。

「はい」

続く。
別窓 | 未分類 | コメント:0 | トラックバック:0
パリからの便り
2007-07-04 Wed 21:00
daikiletter


「アムールの街 Parisから」

こんな書き出しの手紙が今日、届いた。
「パリ日記」で紹介した画家のダイキからだった。

メールばかりの生活の中、手書きの文字で心が沸騰するほど熱くなった。

ダイキは今、アパルトマンの屋根裏部屋で寝たきり。
椎間板ヘルニアを患っている。もう、3ヵ月近く。

パリで暮らしたとき、私を勇気づけ、励ましてくれたダイキ。
遠く離れてしまっては、なにもしてあげられない私。
情けない。

そうだ。
思わず受話器を手にした。
ダイキの携帯電話の番号をダイヤル。

「アロー?」

不思議そうな声で応答するダイキ。
そうね、国際電話では誰からの電話かはわからないものね。
でも、思ったより元気そう。

「もしもし、ダイちゃん?」

これだけで、
「あっ、どうも」と、わかってくれた。

「ごめんね、なにもしてあげられなくて」

「いいんですよ。アンリさんが元気でいてくれたら、それだけで」

「なにか私にできることはある?」

「パリに遊びに来てください。
それが無理なら…、そうだ、ボク、さきいかが食べたい…」

くすっ。

「うん、わかったよ。さきいかを送るからね」

動けないカラダでペンを走らせてくれたダイキ。
ずっとずっと年下なのに、兄貴のように頼もしいダイキ。
その深いやさしさを、人間としての大きさを、私は誰よりも知っている。
多くを望まず、パリの地で、ただ黙々と絵筆を握ってきたダイキ。
いまの苦しさは、私には計り知れない。
ただひたすら、病に打ち克つことを祈るだけ。

あなたの病気が治ったら、私、パリに遊びに行くからね。
キャンバスに向かうあなたの姿に会いたいから。
別窓 | 未分類 | コメント:0 | トラックバック:0
安曇野へ
2007-07-03 Tue 15:44
rokuzan


碌山美術館、わさび農場、穂高神社、鐘のなる丘。
そこは想い出の地でもあった。

予定では週末、新幹線か飛行機に乗るつもりだった。
でも、そんな気になれなくなったのは水曜日のこと。
そう、いつも突然。

金曜日。
「アンリちゃんが黙していると 
ひたすら膝を抱えて耐えている姿が思われて痛々しくてなりません。
ちょっと自分を踏み外しても 人に甘えても 寄りかかっても
それが相手にとっても嬉しいプレゼントということもあってよ」

こんなメールが届いた。
どうして膝を抱えた私の姿が見えるの?
涙で最後まで読めなかったけれど、痛いほど胸を打ったのはいうまでもない。

そうだ、このかたに会いに行こう。このかたのやさしさに包まれたい。

土曜日。
「明日、会いに行ってもいいですか?」
こんな唐突で甘えた言葉に、キラメく声で「もちろん、いいですよ」。

日曜日。妹分との夕食の約束をすっぽかし、
小雨の東京を出発。
午前8時には中央道下りを走っていた。
いつもの週末なら、まだベッドでぐずぐずしている時間。
自分でも不思議に思えるほどの行動力だった。

時速は常時140キロ。一刻も早く会いたかったから。

一面の曇り空。富士山もなにも見えやしない。
単調な景色との闘い。でも、なぜか心が穏やかだった。
八ヶ岳が近づいてきたころ、
ふと、「そうだ、あそこに寄ってみよう」と思った。
いまは亡き人との約束の場所。
小淵沢で高速を下りた。
雲で見えない八ヶ岳に向かって走る。
インターからわずか5分ほどのはずなのに、その場所が見つからない。
ゆっくりと探している時間はなかった。
「もう来なくていいんだよ。早く前に進みなさい」
そう言われているようだった。

後ろ髪を引かれながらインターに戻る。

再び単調なドライブを続けた。

諏訪あたりでサービス・エリアに入る。
ちょっと休憩。
なにげなくクルマを駐車させようとしてバック。
と、なにかにぶつかった音。
後ろにタイヤ止めの縁石があると思ったの。
でも、違った。縁石などなかった。
ぶつかったのは、別のクルマ。

早起きしたからだろうか。疲れていたのだろうか。
初めてのことだった。
でも、100パーセント、私が悪い。
慌ててクルマから下りた。
「ご、ごめんなさい。どうしましょ」の言葉に
ぶつかったところを確認した男性が、
「いいよ、ナンバープレートが曲がっただけだから。
気にしなくていいよ」と。

「あ、ありがとうございます」

そのクルマが発進し、見えなくなるまで頭を下げていた。
少しだけ目を潤ませながら。

深くため息をついて再び高速へ。
もうすぐ中央道と長野道のジャンクションだ。
長野道に入らなくちゃいけない。
よくわかっていた。
ちゃんと表示板で確認もした。
なのに、ジャンクションを通り過ぎてしばらく行くと
「辰野 名古屋」方面の表示板。

えっ、ち、違う。名古屋方面に行くんじゃないのよ、私は。
逆走したい気分に駆られたけれど
動揺しながらもなんとか辰野で下りて方向転換。
こんなことも初めて。

岡谷トンネルを出ると今までの雨がウソのように
空が明るくなった。こぼれるほどの日差しがあった。

穂高。ここで高速とは別れを告げた。東京から250キロ。
あのかたとの待ち合わせの場所へと向かった。
クルマを止めてあたりを見渡してみる。
と、「こんにちはぁ」。
温かい声が私を迎えた。

あのかたが目の前に。
小さなカラダにやさしい笑顔。
私ったら、いつもの癖ね。
思わず抱きしめたくなっちゃった。
その衝動をこらえて、「来ちゃいました」とはにかんだ。
ふと、視線をずらすと、後ろにご主人が立っていた。微笑んで。

続く。
別窓 | 未分類 | コメント:2 | トラックバック:0
| 旅@anrianrianri |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。